★インドネシアの住居★
インドネシアでどんなところに住むのか、心配される方もいらっしゃると思います。ジャカルタやチカランエリアに住まれる方は、日本人向けのサービスアパートが多数あり、日本と変わらないもしくは日本以上の贅沢な暮らしができる可能性大です。
一方で、筆者の暮らすバンドンエリアには、日本人向けのサービスアパートがありません。日本人の数がまだまだ少ないせいでしょうか。そのため、筆者の会社の駐在員はインドネシア人や華僑の方々が住むアパートで暮らしています。質としては日本より劣るものの、こちらのレベルで言うと中流~上流階級向けのため、そこまで不自由になることはありません。
企業の待遇度合いによっては、インドネシア人でも学生や給料の少ない社会人等が住むようなコス(Kost)と呼ばれるシェアハウス的なところに住む日本人もいます。こちらは筆者の暮らすアパートより不便なところが多く、生活もよりローカルに近いと思います。もちろん、コスの程度にもよると思いますが・・・
上記の住居に関して、以下の通りまとめてみました。各特徴は、これまで筆者が知人から聞いた内容を基にしているものもありますので、物件によって若干の違いがあると思います。あくまで一例として、参考程度に考えていただきますようお願いします。
①日本人向けサービスアパート
【家賃】
◆20~30万円/月程度。
【部屋】
◆湯舟がついている部屋もあり。
◆ベッドは一人で寝るのにちょうど良い大きさ。
◆台所はあったりなかったり。
【サービス】
◆毎日部屋の清掃あり。食器洗い、ベッドのシーツやまくらカバーの交換もあり。
◆ウォーターサーバーのガロンは、少なくなっていれば気を利かせて(?)新しいものに変えてくれることもある。ガロンがない部屋には、ホテルのように毎日ペットボトルの水が用意される。ガロンにしてもペットボトルの水にしても、駐在員の自己負担はなし。
◆ランドリーサービスは基本毎日ある。部屋に置いているものを取りに来て、洗濯後は部屋に返してくれる。料金は枚数や㎏で無料になる幅あり。
◆毎朝、1階のレストランで朝食をとれる。朝食代は家賃代に含まれているため、駐在員の出費不要。
◆大体のフロントスタッフは、日本語で挨拶してくれる。
◆ロビーには無料サービスのコーヒーや紅茶、日本の本や漫画が置いてある。本や漫画は借りて部屋に持ち込むこともできる。
【その他】
◆プール、ジム、温泉など、アパートによるが+@の施設が充実していることが多い。
◆他の会社の日本人と顔を合わせやすい。
◆入口にはセキュリティスタッフがおり、アパートによっては外部の車が入ってくると、車を開けて荷物チェックされる。
②ローカルのアパート
【家賃】
◆4~5万円/月程度。
【部屋】
◆湯舟はなく、トイレとシャワールームがセットになった個室で、シャワーを浴びるとトイレを利用する時はびしょ濡れの床を踏むしかない。シャワーのお湯がぬるかったり勢いが弱かったりする時がある。
◆ホテル兼用のアパートでは特に、ホテルの客室に合わせてか、ベッドは大きなダブルベッドのことが多い。
◆部屋や天候、時間帯によっては、インターネット回線が弱い時がある。
【サービス】
◆部屋の清掃は1ヶ月に1回、もしくはないところもある。ただ、清掃後のきれいさにはあまり期待しない方が良い。
◆ウォーターサーバーのガロンは、なくなればアパート管理人に頼んで交換補充してもらうか、1階のお店で自分で頼んで部屋まで運んでもらう。費用は自払い。
◆ランドリーサービスは、あるところもあればないところもある。あるところでも、部屋に取りに来て部屋に返してくれるところもあれば、自分でロビー近くのランドリーサービス所に持って行くところもある。1ヶ月ごとに無料でできる重量を超過した分は、超過重量分に応じて自己負担。洗剤のにおいがきつくて自分で洗濯する駐在員も・・・
◆朝食サービスはないため、朝食は各自で準備し部屋で食べる。ホテル兼用の場合は1階にレストランやコンビニがあり、食べ物の調達にはあまり苦労しない。ちなみに筆者のアパートはホテル兼用だが、コロナ以降、レストランの昼夜営業がなくなり、ホテル宿泊者向けの朝食ビュッフェのみされている。アパート在住者は利用不可もしくは別途支払い必要。(利用したことがないため不明)
◆フロントスタッフはインドネシア語しか話せないこともある。ホテルと兼用になっているアパートの場合、英語も多少通じる可能性あり。
【その他】
◆外部の車は駐車場代をとられる。駐在員の車は普通に払うよりお得な契約型にしている。
◆住人はインドネシア人や華僑の人がほとんどで、日本人と顔を合わせることはほとんどない。
◆入口にはセキュリティスタッフがいることが多い。エレベーターは指紋認証でロックを解除しないと部屋のある階には行けない仕組み。指紋認証の反応が悪い時があるため、その時はセキュリティスタッフの助けを借りてロックを解除し、目的階のボタンを押す。
◆ジムやプールがついているところもある。ホテル兼用のアパートについている可能性が高い。利用には支払いが必要だが、1ヵ月契約で安くなる場合もある。
◆ホテル兼用のアパートの場合、休日は結婚式などでにぎわうことが多い。
③コス
【家賃】
◆1~2万円/月程度。
【部屋】
◆湯舟はなく、シャワーのお湯が出ないところもある。
◆ベッドは一人で寝るのにちょうど良いサイズ。
◆料理をする時は共用エリアの台所で。調味料を置きっぱなしにしていると勝手に使われることもある。
【サービス】
◆部屋の清掃頻度は特に決まっておらず、急にやって来てすることも・・・。
◆ランドリーサービスは、部屋での受け渡しが可能なところもある。洗剤のにおいがきついことが多い。
◆ウォーターサーバーのガロンは、廊下などの共用スペースにあり。
【その他】
◆同じ会社でもない限り、日本人に会うのは稀。
◆入口にはセキュリティスタッフはおらず、CCTVカメラを設置しているのみ。
◆部屋を出れば吹きさらしの廊下というところは、雨季の豪雨時は廊下が水浸しになる。
いかがでしょうか。
同じインドネシア、同じ駐在員でも、会社規模や地域によっては、待遇にかなり差が出そうですね(笑)・・・。
「住めば都」という言葉がありますが、最初から不便な生活を経験されている方は、逆にそれが普通になっていることでしょう。逆に、日本で生活している時より至れり尽くせりな待遇を受けて、帰任後に一人暮らしされる方は、自分ですることが面倒になり、苦労されるかもしれません。
インドネシア人の家に一度お邪魔してみるのも良い経験です。チャレンジャーな方は、お泊りしてみてください。中流~上流階級の家ならともかく、ほぼ高確率で、冷たいシャワーか組み式タイプのお風呂しかないでしょう。
ムスリムの方は、朝4時頃にお祈りがありますので、強制的に(?)起きることになるかもしれませんね。ただ、インドネシア人でも、朝のお祈りをした後に二度寝する人はいます。また、子供に多いようですが、起きれず昼のお祈りで代用するか、時間をずらしてお祈りする人もいるそうです。
インドネシアの部屋は、基本的に土足NGですので、靴は玄関先で脱ぎます。ただ、日本のような靴置きがなく、玄関扉の前に脱いだ靴を脱ぎっぱなしで置く場合が多いです。アパートの場合、ここで靴を脱ぐといった明確な区切りがないため、大体は部屋に入ったすぐのところで脱いでいます。清掃スタッフなどが入ってきた時も、皆さん、部屋の入口で靴を脱ぎます。裸足の場合がほとんどですが、素足や靴下の汚れが気になる人は、部屋用スリッパを用意して部屋ではそれを履くことをおすすめします。
同じアパートでも、部屋によっては虫が大量発生するところもあります。ハエ、アリ、蚊、ゴキブリ、イモリ・・・この辺りが出ても、すぐに「またか」と思うようになるでしょう。現地の殺虫剤スプレーは常備しておくのがベターです。
潔癖症な方や、虫が苦手な方は、インドネシア生活にストレスを感じやすいでしょう。住んでいるうちに慣れてくれば「こんなものか」と思えるようになります。生活文化の違いを理解し、甘んじることも、ストレスを抱えず過ごすコツです。