インドネシア赴任記録(バンドンより)

インドネシア バンドンに赴任。仕事や日常生活で気づいたことを織り交ぜながら赴任生活をつづっていきます。

インドネシアから海外旅行

★マレーシアで発見★

 

 インドネシアでは、年に1回、レバラン連休という長期のお休み期間がある。この時期に一時帰国される方も多いが、せっかくインドネシアにいるので、筆者は毎年旅行に出かけている。日本からより近くて安価な海外旅行も可能だ。

 

 特にマレーシア。公用語のマレー語はインドネシア語に似ており、街の表示や車内アナウンスでも、見たこと聞いたことのある単語が飛び交うので、初めてな気がしないかもしれない。

 ジャカルタのスカルノハッタ国際空港をはじめ、インドネシアからは直行便が出ている空港が多く、安くて近い観光先ということで、ちょっとお金のあるインドネシア人なら手軽に行ける旅行先になっていることだろう。

 

 筆者は2024年4月のレバラン連休で、クルタジャティ国際空港からマレーシアに飛んだ。クルタジャティは、2023年にできたばかりの新しい空港で、バンドンから車で1時間20分ぐらいのマジャレンカという地域にある空港。2024年4月現在、国際線の直行便はマレーシア行きのみ。

 レバラン連休時、スカルノハッタは混雑すると聞くが、クルタジャティはがらんとしており、むしろ寂しかった(笑)。

 

 マレーシアのクアラルンプールまで約2時間。マレーシアは、2024年1月から入国申請が必要になっているため注意。空港のイミグレで待つ時でも、QRコードを読み込んで登録できるが、事前に登録しておくと安心だろう。

 

 公共交通機関の発達しているマレーシアでは、移動は基本的に電車でも事足りるが、有名なピンクモスクやブルーモスクへ行くには、Grabを使った方が便利。ということで、筆者は空港でSIMカードを購入。これでネットが心置きなく使える。SIMカードは1週間分ぐらいのものでも、1000円以下でリーズナブル。空港に到着して出るまで、至る所に各社のSIMカード販売所があるため、購入にはさほど困らないだろう。お店の人が設定までしてくれるので、スマホを預けて、クレジットカードで支払えばOK。お店によってはクレジットカードが使えないところもあるため、事前に確認するか、事前に両替しておくこと。

空港と市内をつなぐ特急列車。

 両替所は空港にもあるが、レートが悪いと聞く。電車のチケットもクレジットカードで購入できるため、クアラルンプール市内まで行ってから両替するのも手だろう。ただ今回筆者は、ピンクモスクを観るために、クアラルンプール手前のプトラジャヤで降りて一泊したので、そこで現金が必要だった。結局、空港で50万ルピアを両替してもらって、その後も現金はそれだけで乗り切った。クレジットが使えるところは、とことんクレジットを使用。どちらが得かは分からないが、現金を余らせるよりは…という考え。

 

 ここで、マレーシアの有名な観光地をいくつか紹介。

 

1.モスク

 マレーシアのモスクは規模が大きくておしゃれな外観のものが多い気がする。中でも有名なのが、ピンクモスクブルーモスク

 まずは、プトラジャヤにあるピンクモスク。プトラジャヤは、首相官邸もあるせいか、街全体がお高くとまっている感じ。行った時は断食期間で、16時を過ぎており、ピンクモスクの中に入ることはできなかった。また、夕立に降られ、モスクからホテルまで慌ててGrabで移動。

その名の通り、全面ピンクなモスク。正式名はプトラモスク。

 モスク前は広場になっており、写真を撮る観光客であふれていた。晴れていれば、クルーズ船に乗ることもできたのに、残念。

モスク前の広場はフォトスポット。

 

 お次は、ブルーモスク。こちらは土曜の午前中に行き、無事に中に入れた。観光客の扱いに慣れているのか、現地スタッフが無料ガイドという形で中を案内してくれた。筆者が行った時は中国人と日本人がいたため、英語で説明されたが、スタッフは日本語も話せるようだった。かつては日本人ばかり来ていたそうだが、最近は日本以外からの観光客も増えているという。

ブルーモスクも通称で、正式名称は長い。

 このブルーモスク、クアラルンプール市内からのアクセスは決して良いとは言えない。今回、筆者はセントラル駅からシャーアラム駅まで電車で約1時間かけて移動し、シャーアラム駅からはバスに乗車。バス停で降りた後、約15分歩いてようやく到着。

 タイミングが良かったのか、道を走る車はほとんどなく、歩道は歩きやすく、モスクまでの道もちょっとした散歩で風景を楽しむことができた。歩くのが辛い人は、Grabを活用するしかないだろう。マレーシアはバンドンより暑い。少し歩くだけで汗がだらだら出てくる。

 帰りはバスがいつ来るかわからなかったため、Grabで市内まで移動。電車とバスを乗り継いで合計約2時間のところ、車なら約30分。その分お金はかかるが、もし複数人で来るなら行きもGrab一択だろう。

 

2.バトゥ洞窟

 ムスリムが多いマレーシアだが、セントラル駅周辺ではインド系のお店をよく見かけた。クアラルンプールから電車で約40分北上すると、ヒンドゥー教の寺院があるバトゥ洞窟へ行ける。最寄り駅のすぐ傍にあるので、Grabの出番はなかった。

 ここが観光地として有名になっているのは、長いカラフルな階段が理由だろう。272段の階段を登りきると、洞窟内に寺院を発見。さすがに厳かなムードに包まれている。

途中で休みながら上る人も多かった。

 ふもとには、大量のサル。インドネシアではあまり鳩を見かけないが、ここにはうようよいる。サルたちは、観光客の食べ物を狙っているのだろう。バラマキ用の餌を販売している人もいて、餌を目当てに鳩もサルも寄ってくる光景は少し異様。

 ここは、半日あればさっくり観光できる。

 

3.タワー

 マレーシアと言えば、ツインタワー。昼の姿にも圧倒されるが、夜はライトアップがきれいで、20時から始まる広場の噴水ショーと併せて鑑賞する人が多い。

巨大なタワーを見上げる。フォトポイントもあり。

ラマダンに合わせてタワーの前にはモニュメントが。

 クアラルンプールタワーも有名。お互い、歩いて15分ぐらいの距離に位置しているので、1日で回ることが可能。マレーシアはインフラがかなり整備されており、歩行者にも優しい道。案内看板も立っているし、信号機だってある。唯一の欠点は、前述の通り、暑すぎること。日焼け防止対策も必須だ。

塔の上から見る景色も良い。別途料金が必要。

 もう一つ、新しいタワーがある。異様な存在感を放っているこのタワーは、2024年4月現在、まだオープンしておらず、外から眺めるだけだったが、中に入れるようになれば、また新たな観光スポットとしてにぎわうのかもしれない。

いつオープンするのか。市内のどこにいても目立つ塔。

 

4.セントラルマーケット

 お土産を買うならここで決まり、な場所。飲食も可能。相場はよく分からないが、空港で買うより安いはず。2階にはバティックを売っているお店が多かった。

ポップな看板が目印。

内装もおしゃれ。

 正直に言うと、マレーシアに行く前は、インドネシアと同じような国だと思っていた。確かに言葉は似ているが、インフラ整備の進み具合、多種多様な文化と宗教の混在具合はインドネシアの比じゃなかった。なぜインドネシアはこんな風に発展しないのか…と、何度思ったことか。

歩きやすいクアラルンプール市内。

 物価は徐々に上昇傾向にあるようだが、日本に比べれば安いものも多い。

 日本からも直行便は飛んでいるが、インドネシアから行く方が安くて早い。インドネシア語をある程度覚えていたら、街中で見かけるマレー語との共通点や相違点を探してみるのも面白い。ただ、英語表記や、英語しか通じない人も割と多いので、インドネシア語を使って「は?」と返されることがなくもない…。

女性専用車両もある。電車内の禁止事項は意外と多い。

ラマダンバザール。

 今回、筆者はレバランを挟んで行ったため、断食期間中のラマダンバザールものぞくことができた。モスクやこういった光景を見ると、イスラムの国だなと思う一方、華僑と思われる人々やインドの文化、日系のお店もそこかしこに見られ、あらゆる宗教や文化が混在している国と思わざるをえない。ただ、どれもお互いに干渉しすぎず、共存している。今後もますますの発展が見込めそうだ。

 

 インドネシアに似て非なる国、でもインドネシアから近くて手軽に行ける国。海外で視野を広げるにはもってこいの旅行先かもしれない。

 

 まだ行けていないエリアもたくさんある。週末にサクッと旅行するのも手かもしれない。言葉や移動が不安な人は、ツアーを利用するのもあり。

 

便利な?移動手段

★高速鉄道に乗ろう★

 2023年に開業された、インドネシア高速鉄道Kereta Cepat、その名も「Whoosh」。「Waktu Hemat(時間節約)、Operasi Optimal(最適運行)、Sistem Handal(頼れるシステム)」の略らしい。ジャカルタとバンドン間をあっという間に移動できる、インドネシア初の新幹線だ。

日本の新幹線を思わせるフォルム

 座席は指定制で、ファーストクラスビジネスクラスエコノミークラスの三種に分かれる。チケットは、事前にKereta Apiのアプリ公式サイトで購入することも、駅構内の窓口で購入することもできる。

 

 公式サイトはこちら↓

 

 アプリのインストールはこちら↓

Access by KAI

Access by KAI

  • PT. KERETA API INDONESIA
  • Travel
  • Free

 アプリをインストールしておけば、Kereta ApiLRTなどのチケットも購入できて便利。特にLRTは、ジャカルタのHalim駅とも接続している路線なので、ジャカルタ市内から高速鉄道の駅まで電車で行こうと思う場合はアプリの活用がお勧め。

 

 初回は、利用者の氏名や生年月日、パスポート情報などを登録する必要があるため、時間に余裕を持って予約する方が良い。

 乗る前の30分前には駅に到着しておくように呼び掛けられるが、混雑時でなければぎりぎりの乗車も可能。

 

 Halim駅に着き、エスカレーターで2階へ。まるで空港のような保安検査場を抜ける。空港よりも緩い審査のような気がした。

手荷物をX検査に通して自身はゲートをくぐるのは空港と同じ。

チケットカウンターが開いているかは電光掲示板で確認を

チケットカウンターが開くまで椅子に座って待機。

 ホームへ上がれる時間も決められているようで、チケットカウンターが開けばゲートを通過しホームへ行ける。アプリで購入した人がほとんどなのか、皆、スマホを片手にゲートが開くのを待っていた。ゲート通過は、QRコードをかざせばOK。

ホームで待つ人はいないためベンチもなかった気が。

 ホームに上ると、既に待機している車両に乗り込む。指定された席に座るのが基本だが、あまりにもがらがらだと、発車後に席を移動する人の姿も見られた。

広くて清潔な車内。日本の新幹線を思い出す。

外の景色を眺めているとあっという間に到着する。

 Kereta Apiで移動すると3時間ぐらいの距離を、40分ぐらいで移動。約6分の1も時間を節約できる。最高時速は350㎞とのことだが、筆者が乗った時に表示された最高時速は348㎞だった(惜しい)。ジャカルタからバンドン方面だと、上りになるためスピードがあまり出ないのでは?とも思ったが、所要時間は上りも下りも変わらないようだ。

Padalarang駅で降りると、バンドン行きの誘導がある。

 Padalarang駅に着くと、KA Feederに乗り換え。これでBandung駅まで行ける。出口と間違えないように注意。看板と、誘導の駅員がいるので恐らく大丈夫。それに、ほとんどの人がFeederを利用するので、人の流れについて行けば問題ないだろう。

 Kereta Cepatのチケットを持っている人は無料で乗れるが、ここでも改札を通る時にチケットまたはQRコードが必要。接続時間は短いが、焦る程ではないので、落ち着いて移動を。

Feederは緑のフォルム。

 Feederの車内も広く、短時間とはいえ快適な電車の旅ができるだろう。優先座席も用意されていた。

 ちなみにPadalarang駅で降りずに、最終のTegalluar駅まで行けば、シャトルバスSummarecon Mall Bandungへ行ける。

2023年末、Tegalluar駅はテナントもなくがらんとしていた。

駅の一階、バス乗り場からシャトルバスへ。

Summarecon Mallは広いがテナントはぼちぼちといったところ。

 ちなみにジャカルタのHalim駅は、中心街から離れているため、LRTGrabなどの配車アプリでの移動が必要。Kereta Apiが止まるGambir駅からHalim駅まで、LRTを一回乗り継いで約1時間、車なら渋滞なしで約30分。時間をとるか、お金を取るか。

 

 確かにKereta Apiより移動時間は短いが、特にジャカルタ側は交通アクセスがまだまだ不十分な様子。今後、アクセスがより便利になれば、Whooshの利用者が増えていくと思われる。ただ、インドネシアのインフラ整備の進捗具合を見る限り、あまり大きな期待はできないかも…?

インドネシアでの暮らし

★インドネシアの住居★

 インドネシアでどんなところに住むのか、心配される方もいらっしゃると思います。ジャカルタチカランエリアに住まれる方は、日本人向けのサービスアパートが多数あり、日本と変わらないもしくは日本以上の贅沢な暮らしができる可能性大です。

 

 一方で、筆者の暮らすバンドンエリアには、日本人向けのサービスアパートがありません。日本人の数がまだまだ少ないせいでしょうか。そのため、筆者の会社の駐在員はインドネシア人や華僑の方々が住むアパートで暮らしています。質としては日本より劣るものの、こちらのレベルで言うと中流~上流階級向けのため、そこまで不自由になることはありません。

 

 企業の待遇度合いによっては、インドネシア人でも学生や給料の少ない社会人等が住むようなコス(Kost)と呼ばれるシェアハウス的なところに住む日本人もいます。こちらは筆者の暮らすアパートより不便なところが多く、生活もよりローカルに近いと思います。もちろん、コスの程度にもよると思いますが・・・

 

 上記の住居に関して、以下の通りまとめてみました。各特徴は、これまで筆者が知人から聞いた内容を基にしているものもありますので、物件によって若干の違いがあると思います。あくまで一例として、参考程度に考えていただきますようお願いします。

 

①日本人向けサービスアパート

【家賃】

20~30万円/月程度。

【部屋】

湯舟がついている部屋もあり。

◆ベッドは一人で寝るのにちょうど良い大きさ。

◆台所はあったりなかったり。

【サービス】

毎日部屋の清掃あり。食器洗い、ベッドのシーツやまくらカバーの交換もあり。

ウォーターサーバーのガロンは、少なくなっていれば気を利かせて(?)新しいものに変えてくれることもある。ガロンがない部屋には、ホテルのように毎日ペットボトルの水が用意される。ガロンにしてもペットボトルの水にしても、駐在員の自己負担はなし。

ランドリーサービスは基本毎日ある。部屋に置いているものを取りに来て、洗濯後は部屋に返してくれる。料金は枚数や㎏で無料になる幅あり。

◆毎朝、1階のレストランで朝食をとれる。朝食代は家賃代に含まれているため、駐在員の出費不要。

◆大体のフロントスタッフは、日本語で挨拶してくれる。

◆ロビーには無料サービスのコーヒーや紅茶、日本の本や漫画が置いてある。本や漫画は借りて部屋に持ち込むこともできる。

【その他】

◆プール、ジム、温泉など、アパートによるが+@の施設が充実していることが多い。

◆他の会社の日本人と顔を合わせやすい。

◆入口にはセキュリティスタッフがおり、アパートによっては外部の車が入ってくると、車を開けて荷物チェックされる。

無料コーヒーサービスはアパート在住者でなくても飲める。

 

②ローカルのアパート

【家賃】

4~5万円/月程度。

【部屋】

◆湯舟はなく、トイレとシャワールームがセットになった個室で、シャワーを浴びるとトイレを利用する時はびしょ濡れの床を踏むしかない。シャワーのお湯がぬるかったり勢いが弱かったりする時がある。

◆ホテル兼用のアパートでは特に、ホテルの客室に合わせてか、ベッドは大きなダブルベッドのことが多い。

◆部屋や天候、時間帯によっては、インターネット回線が弱い時がある。

【サービス】

部屋の清掃は1ヶ月に1回、もしくはないところもある。ただ、清掃後のきれいさにはあまり期待しない方が良い。

ウォーターサーバーのガロンは、なくなればアパート管理人に頼んで交換補充してもらうか、1階のお店で自分で頼んで部屋まで運んでもらう。費用は自払い。

ランドリーサービスは、あるところもあればないところもある。あるところでも、部屋に取りに来て部屋に返してくれるところもあれば、自分でロビー近くのランドリーサービス所に持って行くところもある。1ヶ月ごとに無料でできる重量を超過した分は、超過重量分に応じて自己負担。洗剤のにおいがきつくて自分で洗濯する駐在員も・・・

朝食サービスはないため、朝食は各自で準備し部屋で食べる。ホテル兼用の場合は1階にレストランやコンビニがあり、食べ物の調達にはあまり苦労しない。ちなみに筆者のアパートはホテル兼用だが、コロナ以降、レストランの昼夜営業がなくなり、ホテル宿泊者向けの朝食ビュッフェのみされている。アパート在住者は利用不可もしくは別途支払い必要。(利用したことがないため不明)

◆フロントスタッフはインドネシア語しか話せないこともある。ホテルと兼用になっているアパートの場合、英語も多少通じる可能性あり。

【その他】

◆外部の車は駐車場代をとられる。駐在員の車は普通に払うよりお得な契約型にしている。

◆住人はインドネシア人や華僑の人がほとんどで、日本人と顔を合わせることはほとんどない。

◆入口にはセキュリティスタッフがいることが多い。エレベーターは指紋認証でロックを解除しないと部屋のある階には行けない仕組み。指紋認証の反応が悪い時があるため、その時はセキュリティスタッフの助けを借りてロックを解除し、目的階のボタンを押す。

ジムやプールがついているところもある。ホテル兼用のアパートについている可能性が高い。利用には支払いが必要だが、1ヵ月契約で安くなる場合もある。

◆ホテル兼用のアパートの場合、休日は結婚式などでにぎわうことが多い。

ガロンのボトルはタイミング悪ければすぐ交換されない時もある。

 

③コス

【家賃】

1~2万円/月程度。

【部屋】

湯舟はなく、シャワーのお湯が出ないところもある。

◆ベッドは一人で寝るのにちょうど良いサイズ。

◆料理をする時は共用エリアの台所で。調味料を置きっぱなしにしていると勝手に使われることもある。

【サービス】

部屋の清掃頻度は特に決まっておらず、急にやって来てすることも・・・。

ランドリーサービスは、部屋での受け渡しが可能なところもある。洗剤のにおいがきついことが多い。

 ◆ウォーターサーバーのガロンは、廊下などの共用スペースにあり。

【その他】

◆同じ会社でもない限り、日本人に会うのは稀。

◆入口にはセキュリティスタッフはおらず、CCTVカメラを設置しているのみ。

◆部屋を出れば吹きさらしの廊下というところは、雨季の豪雨時は廊下が水浸しになる。

トイレとシャワーは一室にまとまっていることが多い。

 

 いかがでしょうか。

 

 同じインドネシア、同じ駐在員でも、会社規模や地域によっては、待遇にかなり差が出そうですね(笑)・・・。

 「住めば都」という言葉がありますが、最初から不便な生活を経験されている方は、逆にそれが普通になっていることでしょう。逆に、日本で生活している時より至れり尽くせりな待遇を受けて、帰任後に一人暮らしされる方は、自分ですることが面倒になり、苦労されるかもしれません。

 

 インドネシア人の家に一度お邪魔してみるのも良い経験です。チャレンジャーな方は、お泊りしてみてください。中流~上流階級の家ならともかく、ほぼ高確率で、冷たいシャワーか組み式タイプのお風呂しかないでしょう。

 ムスリムの方は、朝4時頃にお祈りがありますので、強制的に(?)起きることになるかもしれませんね。ただ、インドネシア人でも、朝のお祈りをした後に二度寝する人はいます。また、子供に多いようですが、起きれず昼のお祈りで代用するか、時間をずらしてお祈りする人もいるそうです。

 

 インドネシアの部屋は、基本的に土足NGですので、靴は玄関先で脱ぎます。ただ、日本のような靴置きがなく、玄関扉の前に脱いだ靴を脱ぎっぱなしで置く場合が多いです。アパートの場合、ここで靴を脱ぐといった明確な区切りがないため、大体は部屋に入ったすぐのところで脱いでいます。清掃スタッフなどが入ってきた時も、皆さん、部屋の入口で靴を脱ぎます。裸足の場合がほとんどですが、素足や靴下の汚れが気になる人は、部屋用スリッパを用意して部屋ではそれを履くことをおすすめします。

 

 同じアパートでも、部屋によっては虫が大量発生するところもあります。ハエ、アリ、蚊、ゴキブリ、イモリ・・・この辺りが出ても、すぐに「またか」と思うようになるでしょう。現地の殺虫剤スプレーは常備しておくのがベターです。

よく効く殺虫スプレー。レモンやオレンジの香りがする。

 潔癖症な方や、虫が苦手な方は、インドネシア生活にストレスを感じやすいでしょう。住んでいるうちに慣れてくれば「こんなものか」と思えるようになります。生活文化の違いを理解し、甘んじることも、ストレスを抱えず過ごすコツです。

インドネシア国内旅行へ行ってみよう2

★ジョグジャカルタへ★

 

 バリ島に次ぐ(?)有名観光地、ジョグジャカルタ

 「ボロブドゥール遺跡」の名前を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか? その遺跡があるのが、ジョグジャカルタです。

 

ボロブドゥール寺院の有名な?光景。

 

 ジャカルタやバンドンと同じジャワ島にありますが、ジャカルタやバンドンが西ジャワに位置するのに対し、ジョグジャカルタは中部ジャワ。飛行機だと、ジャカルタから約1時間の距離で、電車だと、約8時間かかります。(バンドンからの場合、電車で6~7時間です)

 

Kerata Apiという電車を使った旅も良いものです。

Yogyakarta駅。

 

 土日で行くこともできますが、じっくり観光するなら連休使って二泊三日ぐらいがお勧めです。有名どころをご紹介します。

 

【目次】

1.ジョグジャカルタのお勧め観光スポット

2.ジョグジャカルタのグルメ

3.ジョグジャカルタのホテル

4.ジョグジャカルタに対する所感

 

1.ジョグジャカルタのお勧め観光スポット

(1)ボロブドゥール寺院

 ジョグジャカルタと言えばここ、というぐらい、定番中の定番観光地です。世界遺産にも登録されています。ジョグジャカルタ市内から、車で約1時間かかります。暑さと混雑避けるため、午前中早めに行くのがお勧めです。

 

階段を上ると巨大な建物がお出迎え。

 

 コロナを機に、上へあがるのに入場制限がかかっている場合があるので、公式HP等で事前に確認してから行くようにしましょう。

 

上に上がるには、入場料とは別料金が必要。

 

(2)プランバナン寺院

 ボロブドゥール寺院とセットで行きたい世界遺産です。ボロブドゥール寺院から車で約1時間ちょっとかかるので、朝にボロブドゥール、昼にプランバナン、というプランにする方も多いと思います。ボロブドゥールとセットの入場券がお得なので、どちらも行く予定の方は、セット券を購入しましょう。

 

巨大な建物がいくつもそびえたつ。

上に上がることもできる。こちらは無料。

奥には動物とのふれあいスペースも。

 

(3)タマン・サリ

 水の王宮です。奥へ進むと住居の名残を思わせる部屋がいくつもあり、意外と広いことに驚かされます。ガイドがいなければ迷子になってしまうかも・・・。

 

荘厳な光景。

人が住んでいた名残?

いつの間にか住宅街に迷い込んでしまう。

 

(4)Obelix Hills

 プランバナン寺院の近く、山道をぐんぐん上った高台にあります。若者が多く集まるフォトスポットで、ここから眺める夕陽を目当てに訪れるようです。カフェレストランも併設されているので、ライブミュージックを聞きながらゆったり過ごすこともできます。

 

高台にあるので涼しく風も気持ち良い。

面白フォトスポットがたくさん。

夕陽が沈むのを待ちながらくつろぐ人たち。

 

2.ジョグジャカルタのグルメ

(1)Nasi Gudeg

 おかずが甘辛いという印象の料理です。ジャックフルーツやココナッツミルクを使って煮込んでいるからでしょう。ジョグジャカルタの定番郷土料理とあって、色々なところで食べられます。

 

手前がNasi Gudeg。奥がBebek、右がBurung Dara。

 

(2)Kopi Bukan Luwak

 ジョグジャカルタ市内から少し北に行ったところにあるレストランです。樹齢何百年という木でできた建物が、味のある雰囲気を出しています。好きなおかずを選んでとって食べます。

 

調理場。

BawalやLeleといった魚が用意されていた。

 

(3)Nasi Brongkos

 お肉や豆腐、豆が入ったピリ辛シチューで、ジョグジャカルタの特産品。ごはんと一緒に食べます。持ち帰りもできるので、筆者は帰りの電車の中でお昼ごはんに食べました。

 

まだ温かいお弁当。

ドライバーに連れて行ってもらったお勧め店。

 

(4)Pabrik Bakpia Pathok 25

 ジョグジャカルタの定番お土産と言えばBakpia。こちらのお店では、製造工程を見学できるようになっており、夜でもたくさんのお客さんが訪れます。できたて熱々のBakpiaを試食することもできます。

 

珍しいPremiumを購入。

 

3.ジョグジャカルタのホテル

 筆者が宿泊した、ジョグジャカルタでも有名な(?)ホテル、The Phoenix Hotelをご紹介します。高いだけあって、内装は豪華で立派でした・・・。

 

部屋から眺められるプール。

おしゃれな造りはお屋敷を思わせる?

ティーポットやティーカップにも趣が。

 

4.ジョグジャカルタに対する所感

 街がきれい、というのが大きな印象です。道は整備されており車が走りやすく、ごみもあまり落ちていません。インドネシアでは珍しい街並みのような気がします。ただ、特にプランバナン寺院に行った時、バイクが大きな音を響かせて走っているのは目立ちました。神聖な寺院の傍であの騒音は残念です。

 

マリオボロ通り。

 

 今後も新しい観光地ができて、ますます発展していくことが期待できそうです。

 

 インドネシアで長期滞在されるなら、バリ島と併せて行っておきたい観光地です。

 

 

 

 

インドネシアの日本食

★日本が恋しくなる?★

 

 海外で働いていると、日本食が恋しくなるという人も・・・。

 現地の食事が合わず、毎日日本食を食べているという方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に食事は、現地のものに偏りがちです。お腹の調子が気にならない方も、疲れた時は、日本食の方が栄養になるかもしれません。

 

 インドネシアも比較的日本食を手に入れやすい、食べやすい環境にあります。特にジャカルタやチカランは日本人が多いため、日本食料理店の量や質も良いことが多いです。

 

 ただ、筆者の暮らすバンドンは、まだまだ日本人が少ないエリアのため、日本食料理店は少なく、あっても「なんちゃって」と言われる、少し違和感を覚える味だったり、メニュー表には書いてあるのに「Kosong(売り切れ)」と言われたり・・・。売り切れたというより、最初から用意できてない可能性が高いです。

 バンドンで食べるなら、日本食よりおしゃれなカフェレストランやローカル寄りのお店の方が、味も雰囲気も楽しめるかもしれません。

 

 と言いつつ、バンドン在住民としては、貴重な日本食料理店のことも知っていただきたいので、ここでご紹介します。

 

【目次】

1.Mikawa・・・ほっとする雰囲気のお店

2.Hittobitto・・・おしゃれな日本食店

3.Hakata Ikkousha・・・日本でおなじみラーメン店

4.Hanami Cafe & Sky Lounge・・・お花見気分を楽しめる

5.Fuku Akiba・・・入るのに勇気が必要?

 

1.Mikawa

 Pasteurの高速道路出入口付近にあります。

 引き戸を開けると、看板女将(?)が元気な声で「いらっしゃいませー」。笑顔も素敵な店員さんです。お店の雰囲気も、ほっとする感じ。

 

カウンターから板前さんの調理を観察。

上品なテーブルセット。

 からあげやサバの塩焼きなど、定番の日本食はそろっています。

 ご飯類、麺類、お酒もあり、仕事で疲れたサラリーマンがふらっと立ち寄り、女将さんの笑顔に癒されながらつまみを食べつつお酒を飲む・・・そんなイメージを彷彿とさせる場所です。日本のテレビも流れています。

おひつに入ったごはんはふんわり美味しい。写真は鮭入り。

レジには賽銭箱が

 一つだけネックなのが、営業時間が短いこと。

 コロナをきっかけに、営業時間が短縮されて、16:00~20:00までしか開いていません。仕事帰りに寄ろうと思うと、金曜日は渋滞必至なので避けた方が無難です。

 

2.Hittobitto

 Gedung Sateの近くにある、2023年にオープンしたばかり?の新しいお店。

 広い店内とおしゃれな内装のため、接待等でも使えそうです。

開放感あふれる店内

壁のイラスト?にも注目

 料理のメニューも豊富。Gyukatsuを頼むと、ミニコンロがついてきて自分で焼くことができます。

 個人的には、デザートの抹茶ティラミスが見た目も味も良かったです。

メニュー名は、Matchamisu

 営業はお昼11:00から、夜は平日21:30、土日22:00まで開いているので、比較的ゆっくりと過ごせます。

 

3.Hakata Ikkousha

 日本でもおなじみの博多一幸舎、バンドンにもあります。

 ムスリムの多いインドネシア、残念ながらこちらは豚肉は扱っていません

 ただ、鶏がらスープでも濃厚さは出ていて充分と思います。

濃厚なラーメン

鶏唐揚げはサクサク。色々なディップを試してみては?

なぜ「江の島」

 営業時間は11:00~22:00。バンドンの東にあるため、高速道路から少し距離がありますが、ラーメン好きなら足を延ばすのもありです。

 

4.Hanami Cafe & Sky Lounge

 ローカル寄りのお店ですが、雰囲気は日本っぽい?

 バンドン動物園の近く、建物の階段もしくはエレベーターで上に上がった先にあります。同じ建物内には、焼肉屋さんも入っています。

建物入口をくぐるとインパクト大なイラストが

 カフェの方は、建物最上階だけあって、開放感あふれるテラス席があります。

広々としたテラス席

屋台もあるが、基本は席でQRコードからメニュー注文

屋内席もあり

 ご飯系もありますが、筆者が頼んだのはフルーツサンド。クリームは甘ったるくなく、ぺろりと完食しました。

フルーツサンドはラップに包まれて出てきた

 お店にある桜は偽物ですが、束の間のお花見気分を味わえます。

 土日は8:00~22:00、平日は11:00~21:30の営業です。

 

5.Fuku Akiba

 名前の通り、オタク要素を感じるお店です。

 店頭にはアニメフィギュアが置かれ、店内にはアニメポスターが貼られています。

二階にも席あり

見覚えのあるキャラクターが

独特のカウンター席

 料理に関して正直に言えば、こちらは「なんちゃって」が強いです。

 日本のアニメ好き、日本食好きなインドネシア人が食事をしに来るところという感じで、日本人はめったに来ない気がします。場所的には、23 Paskalエリア内で、日本人も足を運びやすい環境にありますが・・・。

注文したたこ焼き

 今回、たこ焼きを頼んでみました。想像とはだいぶ違いました(笑)。

 スクランブルエッグの下に、たこ焼きが4つ隠れています。鰹節はたっぷりかかっていましたが、お好みソースがないせいか、たこ焼き・・・?という感じです。

 

 まだまだ日本人が少ないバンドン、これから少しずつ日本人と共に日本食料理店も増えてくるのでしょうか・・・。

 

 日本が恋しくなった時、立ち寄って、心身の疲れを癒せる場所をおさえておくのも良いかもしれません。

インドネシア人とのコミュニケーション

★仕事の意思疎通★

 

 同じ日本人同士でも、コミュニケーションのすれ違いで困ることは何度も経験してきたはず。海外で現地スタッフが相手だと、言葉も宗教も文化も違うので、コミュニケーションにはさらに苦労されているのでは?

 ここでは、現地スタッフとのコミュニケーションで筆者が心掛けていることを綴っていきます。

 

【目次】

1.使う言葉に注意

2.Google翻訳は答え合わせ

3.図解で共有

4.思い込みがないか

 

1.使う言葉に注意

 インドネシア人と会話する時は、インドネシア語、英語、日本語のいずれかになるかと思います。一番多いのが、案外、インドネシア語かもしれませんね。世界一簡単な言語と言われる通り、駐在員も比較的覚えやすく、気づけばスタッフとの会話をインドネシア語でしている・・・という方も少なくないと思います。

 

 母語であるせいか、日本人の使うインドネシア語が多少雑でも伝わりやすいのがありがたいところです。ただ、それに慢心して「伝わったつもり」になっていると危険です。確実に伝えたいことがある時は、筆者の場合、英語を使います。英語に自信がない方、英語ができない方は、日本語のできるスタッフを通訳者として介してもらいます。

 

 筆者は、口頭では基本的にインドネシア語を使います。What's APP等のチャットも然りです。英語を使うのは、主に、会社のメールを送る時です。難しいニュアンスを細かく伝えたいときには、英語で丁寧に内容を書いてメールを送ります。

 

 既に経験済みの方も多いと思いますが、Google翻訳では、日本語⇔インドネシア語の翻訳が充分ではありません。まだインドネシア語⇔英語の方が、うまく翻訳してくれるようです。スタッフは基本的に英語が使えますが、そのレベルは人によって様々。母語ではない分、解釈があやふやになるところもあるでしょう。そんな時は、こちらが送った英文メールをGoogle翻訳でインドネシア語に訳して読んでくれます。その方が、日本語メールを送るより、こちらの意図する内容が伝わりやすいです。恐らく、日本語の独特な言い回しが、うまく翻訳されないのだと思います・・・。

 また、スタッフも英語でメールを返してくれるので、今度はこちらがGoogle翻訳で日本語に訳して読めば、解釈もしやすいです。

 

 次に注意するのが、日本語のできるスタッフに頼る時です。そのスタッフの日本語力にもよりますが、やはりネイティブではないので、こちらが使う日本語には気を配る必要があります。理想は、小学生でも理解できる優しい言葉を使うことですね。また、仕事の都合上、どうしても専門用語が出てしまうと思いますが、そのスタッフが担当部署ではなく専門外の時は、まずは言葉の意味から説明しないといけません。

 

 言葉以外にも大事なのが、「何を伝えてほしいか」ということを常に意識することです。日本人同士なら、この表現で自分が相手に何を求めているのか伝わるということもありますが、インドネシア人相手には、時にはストレートに伝えることも大事です。何を聞きたいのか、何を求めているのか、はっきりと伝えるようにします。こちらの思いを汲んでくれる(優秀な?)通訳者なら、同じインドネシア人に対して、意訳して伝えてくれるかもしれませんが、こちらの意図を汲み取ってもらえないと、表面的な言葉しか伝えてもらえません。その結果、ほしい答えを導き出せない可能性があります。

 言葉と目的を明確化することが、スムーズな会話を引き出すコツです。

 

2.Google翻訳は答え合わせ

 分からない単語を調べるだけが、Google翻訳ではありません。むしろ筆者は、自分の作成したインドネシア文や英文が合っているかを確かめるために使う機会が増えました。誤字脱字のチェックにもなります。

 

 当然、インドネシア語にも文法の決まりはあります。日本人が多少おかしい文法でインドネシア語を使っていても、スタッフはたいてい、文脈から解釈してくれます。そのため、間違いを指摘してくることはめったにありません

 

 ただ、知らずに間違えたまま使っていると恥ずかしいですよね・・・。

 

 言葉の順番やスペル一つ違うだけで、意図していた内容と違う内容が伝わる可能性もあります。2通りの解釈ができ、どちらにも解釈が取れる場合は要注意です。そのまますれ違った解釈で進んでしまうと、巻き返しが大変です。

 

 Google翻訳も万能ではありませんが、自分が思っていた通りの訳し方にならないと、「あれ?」と立ち止まって考え直すことはできます。最初は面倒でも、習慣づけば苦になりません。少しの手間でミスコミュニケーションを回避できるなら、多少の手間は惜しんでも良いと思います。

 

3.図解で共有

 言葉だけの意思疎通では限界があります。分かりやすいのは、図解を用いることです。せっかく近くにいて直接話せる距離にいるのなら、なおさら、紙とペンを用意して、一緒にイメージを共有した方が良いでしょう。

 

 文字だけよりも、図解を用いる方が、記憶にも残りやすいです。また、複雑な内容は、例を挙げてみるのも良いと思います。数字を使う時は、二つの事例を比較すると、よりクリアになるでしょう。

 

4.思い込みがないか

 特に、インドネシア語である程度スタッフと会話できるようになってきた人に多い傾向にあると思いますが、何となく通じ合っているから大丈夫、という慢心が生まれやすいです。しかも、お互いにすれ違っていることに気づかず、後から「そう解釈してたの?」と驚かされることもあります。

 

 回避するには、会話した時に、自分が解釈したことをきちんと言葉にして「こういうことだよね」と確認することです。ただ難しいのは、同じ言葉を使っていても、解釈が違っている時です。可能であれば、表現の仕方を変えて、最低2通りの言い方で確認できると良いでしょう。毎回していたら業務効率が落ちるので、大事な内容のみで問題ないと思います。

 

 確認は、してもしすぎるということはないです。そんなことまで・・・聞かなくてもわかっている・・・というところもきちんと確認することが、後々のトラブル防止につながります。

 

 日々の忙しさから、慣れてくるとつい手を抜いてしまうのが言葉のコミュニケーションだと思います。ただ、ここをおろそかにすると、業務に大きな支障が生じやすいです。内容によりますが、面倒でも、ガラスを扱うように慎重なコミュニケーションを意識したいものです。

 

<まとめ>

・日本語通訳を介する時は、小学生でも分かる言い回しで

・Google翻訳で自分の作文力をチェック

・イメージの共有が早期理解の助けに

・石橋はたたきすぎても壊れない

インドネシアで働くメリット・デメリット

★生活や仕事への影響★

 

 インドネシアで働くとなると、生活環境言葉など不安を抱える人も多いはず。でもせっかく海外で働けるチャンス、どうせならその恩恵もしっかり受けたいところです。

 筆者の経験談を基に、インドネシアで働いて良かったと思う点、我慢しなければならないと思った点を挙げていきます。生活に関しては、会社などによって個人差が生じますので、筆者の例はあくまで一例として捉えていただければと思います。

 

【目次】

1.生活面のメリット

2.生活面のデメリット

3.仕事上のメリット

4.仕事上のデメリット

 

1.生活面のメリット

 インドネシアに限らないと思いますが、海外駐在すると会社からの手厚い保護を受けれます。まず、次に挙げる費用は会社負担のところが多いと思います。

 

<会社が負担する費用>

・アパートの家賃

・光熱費

・水道代

・アパートのインターネット代

・スマホの使用料金(業務で使用するスマホ分)

・通勤で使う車のガソリン代、高速道路代など(たいてい、ドライバー付きの車を手配してもらえる)

 

*以下の費用は、会社によっては自己負担の人も*

・ランドリー代(毎月〇㎏まで無料、1回〇枚まで無料など、制限付きで無料にしているところが多い)

・休日の移動に使う車のガソリン代、高速道路代など

・ウォーターサーバーのガロン交換費用

・朝食代(アパートによっては、併設のレストランでサービスで食べれる)

 

 日本でアパート暮らししたことのある方は、何か不具合があると、自分で大家さんに連絡されていたと思います。言葉が分からないこちらでは、まず会社の総務に相談するのが一般的です。アパートに限らず、スマホや車、困った時には総務が頼りです。

 

 ほとんどの会社では、駐在員は、毎月海外勤務手当を受け取ることでしょう。上記の費用を会社負担してくれるとなると、お金も貯まりやすいのでは?と考えますね。ただ、以下の記事で紹介した通り、お金を貯められるかどうかは、どんな生活をするかで大きく変わりますのでご注意を・・・。

 

 

2.生活面のデメリット

①衛生面

 インドネシアで生活するにあたり、切っても切り離せないのが衛生面の不安。水道水は、浄水器をつけてなければ絶対に飲めません。基本的に飲み水や料理に使う水は、ウォーターサーバーを利用します。うがいや、食べ物を洗う際にもウォーターサーバーを使う人もいます。

 また、道を歩けばそこかしこにゴミが落ちているのに気づくことでしょう。特にジャカルタは大気汚染指数が世界でもトップクラス・・・。コロナの規制緩和されても、悪い空気を吸いたくないという理由でマスクを手放せない方もいらっしゃるのでは?

 

 日々の食べ物にも注意が必要です。屋台の場合、食器を洗う水がバケツの汚い水だと、お腹を壊す可能性大です。持ち帰る方が無難でしょう。

 たまに、生野菜やフルーツを食べてお腹を壊す方もいらっしゃいます。これらも、洗う際の水が関係しています。ただでさえ揚げ物や炭水化物の多いこの国で、ビタミンが取りにくくなるのは悩ましいですね。とはいえ、そんなにしょっちゅうあたるわけではないです。筆者は1年以上生活していますが、未だにあたったことがありません。一方で、知り合いで、2~3度お腹を壊したという方もいらっしゃいますので、こればかりは運によるところが大きいかもしれませんね・・・。

 

②住環境

 アパート環境でいえば、電気がつかなくなったりネットがつながらなくなったりすることは日常茶飯事(?)です。そのうち、「ああ、またか」と思うようになることでしょう(笑)。何か壊れて修理を依頼しても、対応が遅れることも多々あります。「忘れてました」と平気で言われることもあります。

 

 もしょっちゅう出ます。よく悩まされるのが、アリとゴキブリ、ハエでしょうか。特にアリは、開封済みの食べ物を置いておくと、一晩で大量に発生し手が付けられない状態になります。一度開封した食べ物は、冷蔵庫で保管しましょう。日本からアリの殺虫剤(以下参照)を持ってこられる方もいらっしゃいます。ネットでも、よく効くと話題になっています。日本から持ってくるのを忘れた方は、現地でも対策品を購入できます。実際、筆者のアパートは、壁という壁に「Kapur Ajaib」というチョークを塗って、アリの侵入を防いでいます。このチョークは、アリを寄せ付けない効果があるもので、インドネシアのスーパー等で手に入ります。

 


スーパーアリの巣コロリ アリ駆除剤 置き型 殺虫剤 駆除剤 毒餌剤(2コ入*3コセット)【アース】[蟻 蟻の巣 殺虫剤 毒餌剤 あり 退治 対策 駆除エサ 庭]

 

③交通事情

 渋滞も、インドネシア生活をする上で避けては通れない問題です。おびただしい数のバイクや車、我先にと進もうとするドライバーたち。高速道路もびゅんびゅん飛ばして他車を追い越し、ぶつかるぎりぎりでブレーキを踏むこともあるので、目を開いていると冷や冷やさせられてばかりかもしれません。

 車に酔いやすい方は、酔い止め必須です。インドネシアは整備されていない道路が多いので、どこもかしこも走る時の揺れが激しいことでしょう。

 

④サービス

 お店の対応は、日本並みのサービスを期待しないでおきましょう。確かにサービスが良いところもありますが、それは大体、富裕層向けの高級店。一般的なお店では、コンビニやショッピングモール、観光地も含めて、実に様々な店員に遭遇します。暇な時はスマホをいじっていたり、おつりを間違えたり、レストランでメニューを聞き間違えたり、違う料理を持ってきたり、注文自体を忘れたり・・・いちいち文句を言っていたらきりがないです。ストレスも溜まります。筆者は、「インドネシアだから」という諦めの心を持ってから、イライラが減りました(笑)。

 

⑤支出

 出費についていえば、日本並みの生活をしようとすると、どうしても高くなります。日本製品をはじめ、海外製品は輸入税の関係で、現地で買うと高くつきます。お店で日本の商品を見かけて、値札の金額にびっくりされた方もいらっしゃるはず。レストランでも、日本食は日本と同等もしくはそれ以上の価格です。こちらの物価基準から考えると、高級料理です。

 

 駐在員の中には、ゴルフをされる方も多いですが、インドネシアでのプレー代は年々上がってきており、1回で1~2 jutaするところも少なくありません。年会メンバーに入っていれば安くプレーできるところもありますが、場所が限られるので、取引先と色々なところを回られる方は、結局、そこのプレー代を負担することになります。

 

3.仕事上のメリット

①通勤

 ほとんどの会社では、ドライバー付きの車を手配してくれます。これは金銭面だけでなく、心身面でもありがたいです。通勤に1時間近くかかる人もいますが、行きと帰りに少しの睡眠をとることもできます。

 

②勤怠管理

 心理的な負担軽減として、勤怠管理が日本ほどうるさくないこともあります。駐在員の残業手当は、たいてい、みなし残業として支払われます。たくさん残業すると損ですが、1ヵ月の残業時間をみなし残業時間内に抑えられれば、お得です。残業時間が長くなっても残業代がかさむことはないので、日本で「残業代を減らせ」としょっちゅう言われていた人ほど、この心理的解放はありがたいのではないでしょうか。もちろん、残業は少ないに越したことはありませんが。

 

 また、有休取得についても、あまり細かくチェックされません。海外のカレンダーは日本のカレンダーとは異なり、現地で休みの日は当然駐在員も休日扱いになります。日本が休みではないからと言って、これで有休消化されるわけではありません。

 駐在員が有休をとるとしたら、体調不良か、連休作って旅行するか、ぐらいでしょうか。筆者のところでは、日本では年間有休取得日数をうるさく管理されていましたが、駐在員は管理が難しいと思われたのか、日本の目標日数に達していなくても何にも言われません。

 これは筆者の憶測ですが、駐在員は最低でも年に1回、会社負担で一時帰国ができるため、それで有休の代わりとみなされているのではないか・・・。有休取得の本来の目的は、業務から離れて心身リフレッシュすることだと思います。ただ、駐在員の中には、一時帰国中も日本の会社に寄って仕事をして、結局思っていたより休めなかったという方もいます。

 

③業務スキル

 駐在員は、スキルアップのチャンスが多く与えられていると思います。

 特に、マネジメント力。インドネシアに限らず、海外で働くと、日本で働いていた時より守備範囲が広くなる人が多いです。限られた人数で現地の会社を回していくので、複数部門を受け持ち、そのスタッフ達をマネジメントしていきます。

 筆者の会社で常々言われていたのが、「駐在員は自分がプレーヤーになってはならない。現地スタッフを育成指導し自立させていくのが駐在員の役目」という言葉。

 忙しいと、自分がやった方が早いと考え、つい手を出したくなると思います。特に言葉の壁もあり、難しいニュアンスを伝える手間を惜しんで、イレギュラー対応は日本人、スタッフにはルーティンのみ任せる、とするところも珍しくありません。

 これではスタッフの成長が難しくなります。日本人からの指示がないと動けない、言われたことのみ対応する・・・いつまで経っても、おんぶにだっこ状態です。確かに日系企業であれば、日本人同士のやり取りも入るため、完全に日本人が手を離すことはできないかもしれませんが、ある程度の業務はスタッフだけで回るようにしたいものです。

 

 守備範囲が広いと、日本で自分が携わったことのない業務に関わることもあると思います。実務の観点から言えば、スタッフの方がよく知っているかもしれません。スタッフから質問や相談を受けて、実務に関わることでわからなければ、日本の関連部門の方に問い合わせます。筆者の場合、自分が一度も経験したことのない部門まで管理するようになり、日本の担当者に色々と質問して、アドバイスをいただきました。日本のやり方を知ることはスタッフにとっても勉強になります。日本から聞いた話を分かりやすくかみ砕いてスタッフに伝える・・・日本との橋渡し、情報共有も、駐在員の役目だと感じました。

 

④日本人同士の繋がり

 関係会社の日本人とは、定期的にコミュニケーションをとって、パイプを強くしておくことをおすすめします。というのも、海外勤務されている方は、日本に帰任後、重要なポジションを任される可能性が高いからです。自分が日本に帰った時、関係会社で、同じ駐在員生活をされていた方がいらっしゃると、相談や情報交換をしやすくなります。限られた時間と場所で巡り合ったご縁は、大事にしたいものです。

 

⑤経営者的な視点

 会社によるかもしれませんが、特に中小企業になる程、会社の経営に関わる機会が増えてくると思います。日本にいた時は見えなかった会社の数字を俯瞰的に見れるようになり、まさに経営者的視点を持ちやすくなります。日本との定例会議、報告会議がある際は、その資料作成で現地会社の経営状況、日本の会社の経営状況も把握するようになるかもしれません。今まで一社員、一歯車として会社の一部の世界しか見えていなかった人にとっては、全体が見えると視野が広がり、個々のつながりが見えてきます。

 

4.仕事上のデメリット

①言葉の違い

 まず一番に思いつくのが、言葉の問題でしょう。日本語の話せるスタッフがいて、常にそのスタッフを介して会話できているから言葉には困らない・・・そんなところは稀だと思います。通常、スタッフとのやり取りは、インドネシア語もしくは英語でされている方がほとんどではないでしょうか。

 大卒スタッフなら、英語は難なくこなせて、コミュニケーションにも困らないと思います。ただ、やはり母語ではないので、すれ違いには注意が必要です。丁寧すぎるぐらい丁寧に、主語や目的語をきちんと入れること。直接話せる環境なら、紙に図解を描きながらイメージを伝えるという手もあります。

 全ての単語が分からなくても、何となくで返事して、後でトラブル発生することもあります。スタッフはきちんと伝えたつもりでも、日本人の返事がいい加減だと、スタッフからの信用も失いかねません。

 少しでも不明瞭な部分があれば、メールやチャットで文字を起こし、お互いGoogle翻訳等で確認しながら会話するという方法もあります。筆者は、難しい内容を伝える時や、細かいニュアンスを伝える時、英文メールをスタッフに送ります。日々の簡単な会話ややり取りは、インドネシア語を使っています。日本人が拙いインドネシア語を使っても、多少文法が間違っていても、母語であるせいか、文脈から日本人の言いたいことを読み取ってくれる確率が高い気がします。

 

②文化的な違い

 言葉の次に直面する壁が、文化や国民性の違いです。

 インドネシア人の特徴は、以下の記事でも紹介しています。

 

 もちろん、全てのインドネシア人が当てはまるとは限らず、あくまで「その傾向が強い」ということを念頭に入れていただければと思います。

 

 避けられないのが、宗教的な違い。お祈り時間や断食期間中の配慮は、業務効率にも影響します。ある程度は「仕方ない」こととして、寛容的に受け止める必要があります。

 

 まじめにきっちりとスケジュール通りにこなそうと躍起になる人ほど、ストレスが溜まりやすくなります。スケジュール遅れが当たり前になる感覚を持つのも危険ですが、遅れること前提のスケジュールを組んでいた方が、慌てることも少なくなりそうです。

 

 「危険予知」という言葉をご存知でしょうか?

 

 特に製造業や工事現場の方にはおなじみの言葉ではないかと思います。文字通り、あらかじめ危険なところを予測しその場所を洗い出し、事故を防ぐ対策を考えます。

 業務でも、危険予知が必要です。慣れてくれば、「こうなる可能性もあるのではないか」と、色々なトラブルパターンを想定でき、それに対する策を事前に考えておけます。インドネシアでトラブルを防ぐには、この危険予知能力をいかにうまく発動させるかだと思っています。

 

<まとめ>

・インドネシアで働く時には、メリットもデメリットもうまく活用し、ストレス溜めない生活を送ろう!

・「危険予知」能力を高めよう!