インドネシア赴任記録(バンドンより)

インドネシア バンドンに赴任。仕事や日常生活で気づいたことを織り交ぜながら赴任生活をつづっていきます。

インドネシアから海外旅行

★マレーシアで発見★

 

 インドネシアでは、年に1回、レバラン連休という長期のお休み期間がある。この時期に一時帰国される方も多いが、せっかくインドネシアにいるので、筆者は毎年旅行に出かけている。日本からより近くて安価な海外旅行も可能だ。

 

 特にマレーシア。公用語のマレー語はインドネシア語に似ており、街の表示や車内アナウンスでも、見たこと聞いたことのある単語が飛び交うので、初めてな気がしないかもしれない。

 ジャカルタのスカルノハッタ国際空港をはじめ、インドネシアからは直行便が出ている空港が多く、安くて近い観光先ということで、ちょっとお金のあるインドネシア人なら手軽に行ける旅行先になっていることだろう。

 

 筆者は2024年4月のレバラン連休で、クルタジャティ国際空港からマレーシアに飛んだ。クルタジャティは、2023年にできたばかりの新しい空港で、バンドンから車で1時間20分ぐらいのマジャレンカという地域にある空港。2024年4月現在、国際線の直行便はマレーシア行きのみ。

 レバラン連休時、スカルノハッタは混雑すると聞くが、クルタジャティはがらんとしており、むしろ寂しかった(笑)。

 

 マレーシアのクアラルンプールまで約2時間。マレーシアは、2024年1月から入国申請が必要になっているため注意。空港のイミグレで待つ時でも、QRコードを読み込んで登録できるが、事前に登録しておくと安心だろう。

 

 公共交通機関の発達しているマレーシアでは、移動は基本的に電車でも事足りるが、有名なピンクモスクやブルーモスクへ行くには、Grabを使った方が便利。ということで、筆者は空港でSIMカードを購入。これでネットが心置きなく使える。SIMカードは1週間分ぐらいのものでも、1000円以下でリーズナブル。空港に到着して出るまで、至る所に各社のSIMカード販売所があるため、購入にはさほど困らないだろう。お店の人が設定までしてくれるので、スマホを預けて、クレジットカードで支払えばOK。お店によってはクレジットカードが使えないところもあるため、事前に確認するか、事前に両替しておくこと。

空港と市内をつなぐ特急列車。

 両替所は空港にもあるが、レートが悪いと聞く。電車のチケットもクレジットカードで購入できるため、クアラルンプール市内まで行ってから両替するのも手だろう。ただ今回筆者は、ピンクモスクを観るために、クアラルンプール手前のプトラジャヤで降りて一泊したので、そこで現金が必要だった。結局、空港で50万ルピアを両替してもらって、その後も現金はそれだけで乗り切った。クレジットが使えるところは、とことんクレジットを使用。どちらが得かは分からないが、現金を余らせるよりは…という考え。

 

 ここで、マレーシアの有名な観光地をいくつか紹介。

 

1.モスク

 マレーシアのモスクは規模が大きくておしゃれな外観のものが多い気がする。中でも有名なのが、ピンクモスクブルーモスク

 まずは、プトラジャヤにあるピンクモスク。プトラジャヤは、首相官邸もあるせいか、街全体がお高くとまっている感じ。行った時は断食期間で、16時を過ぎており、ピンクモスクの中に入ることはできなかった。また、夕立に降られ、モスクからホテルまで慌ててGrabで移動。

その名の通り、全面ピンクなモスク。正式名はプトラモスク。

 モスク前は広場になっており、写真を撮る観光客であふれていた。晴れていれば、クルーズ船に乗ることもできたのに、残念。

モスク前の広場はフォトスポット。

 

 お次は、ブルーモスク。こちらは土曜の午前中に行き、無事に中に入れた。観光客の扱いに慣れているのか、現地スタッフが無料ガイドという形で中を案内してくれた。筆者が行った時は中国人と日本人がいたため、英語で説明されたが、スタッフは日本語も話せるようだった。かつては日本人ばかり来ていたそうだが、最近は日本以外からの観光客も増えているという。

ブルーモスクも通称で、正式名称は長い。

 このブルーモスク、クアラルンプール市内からのアクセスは決して良いとは言えない。今回、筆者はセントラル駅からシャーアラム駅まで電車で約1時間かけて移動し、シャーアラム駅からはバスに乗車。バス停で降りた後、約15分歩いてようやく到着。

 タイミングが良かったのか、道を走る車はほとんどなく、歩道は歩きやすく、モスクまでの道もちょっとした散歩で風景を楽しむことができた。歩くのが辛い人は、Grabを活用するしかないだろう。マレーシアはバンドンより暑い。少し歩くだけで汗がだらだら出てくる。

 帰りはバスがいつ来るかわからなかったため、Grabで市内まで移動。電車とバスを乗り継いで合計約2時間のところ、車なら約30分。その分お金はかかるが、もし複数人で来るなら行きもGrab一択だろう。

 

2.バトゥ洞窟

 ムスリムが多いマレーシアだが、セントラル駅周辺ではインド系のお店をよく見かけた。クアラルンプールから電車で約40分北上すると、ヒンドゥー教の寺院があるバトゥ洞窟へ行ける。最寄り駅のすぐ傍にあるので、Grabの出番はなかった。

 ここが観光地として有名になっているのは、長いカラフルな階段が理由だろう。272段の階段を登りきると、洞窟内に寺院を発見。さすがに厳かなムードに包まれている。

途中で休みながら上る人も多かった。

 ふもとには、大量のサル。インドネシアではあまり鳩を見かけないが、ここにはうようよいる。サルたちは、観光客の食べ物を狙っているのだろう。バラマキ用の餌を販売している人もいて、餌を目当てに鳩もサルも寄ってくる光景は少し異様。

 ここは、半日あればさっくり観光できる。

 

3.タワー

 マレーシアと言えば、ツインタワー。昼の姿にも圧倒されるが、夜はライトアップがきれいで、20時から始まる広場の噴水ショーと併せて鑑賞する人が多い。

巨大なタワーを見上げる。フォトポイントもあり。

ラマダンに合わせてタワーの前にはモニュメントが。

 クアラルンプールタワーも有名。お互い、歩いて15分ぐらいの距離に位置しているので、1日で回ることが可能。マレーシアはインフラがかなり整備されており、歩行者にも優しい道。案内看板も立っているし、信号機だってある。唯一の欠点は、前述の通り、暑すぎること。日焼け防止対策も必須だ。

塔の上から見る景色も良い。別途料金が必要。

 もう一つ、新しいタワーがある。異様な存在感を放っているこのタワーは、2024年4月現在、まだオープンしておらず、外から眺めるだけだったが、中に入れるようになれば、また新たな観光スポットとしてにぎわうのかもしれない。

いつオープンするのか。市内のどこにいても目立つ塔。

 

4.セントラルマーケット

 お土産を買うならここで決まり、な場所。飲食も可能。相場はよく分からないが、空港で買うより安いはず。2階にはバティックを売っているお店が多かった。

ポップな看板が目印。

内装もおしゃれ。

 正直に言うと、マレーシアに行く前は、インドネシアと同じような国だと思っていた。確かに言葉は似ているが、インフラ整備の進み具合、多種多様な文化と宗教の混在具合はインドネシアの比じゃなかった。なぜインドネシアはこんな風に発展しないのか…と、何度思ったことか。

歩きやすいクアラルンプール市内。

 物価は徐々に上昇傾向にあるようだが、日本に比べれば安いものも多い。

 日本からも直行便は飛んでいるが、インドネシアから行く方が安くて早い。インドネシア語をある程度覚えていたら、街中で見かけるマレー語との共通点や相違点を探してみるのも面白い。ただ、英語表記や、英語しか通じない人も割と多いので、インドネシア語を使って「は?」と返されることがなくもない…。

女性専用車両もある。電車内の禁止事項は意外と多い。

ラマダンバザール。

 今回、筆者はレバランを挟んで行ったため、断食期間中のラマダンバザールものぞくことができた。モスクやこういった光景を見ると、イスラムの国だなと思う一方、華僑と思われる人々やインドの文化、日系のお店もそこかしこに見られ、あらゆる宗教や文化が混在している国と思わざるをえない。ただ、どれもお互いに干渉しすぎず、共存している。今後もますますの発展が見込めそうだ。

 

 インドネシアに似て非なる国、でもインドネシアから近くて手軽に行ける国。海外で視野を広げるにはもってこいの旅行先かもしれない。

 

 まだ行けていないエリアもたくさんある。週末にサクッと旅行するのも手かもしれない。言葉や移動が不安な人は、ツアーを利用するのもあり。