インドネシア赴任記録(バンドンより)

インドネシア バンドンに赴任。仕事や日常生活で気づいたことを織り交ぜながら赴任生活をつづっていきます。

インドネシア人とのコミュニケーション

★仕事の意思疎通★

 

 同じ日本人同士でも、コミュニケーションのすれ違いで困ることは何度も経験してきたはず。海外で現地スタッフが相手だと、言葉も宗教も文化も違うので、コミュニケーションにはさらに苦労されているのでは?

 ここでは、現地スタッフとのコミュニケーションで筆者が心掛けていることを綴っていきます。

 

【目次】

1.使う言葉に注意

2.Google翻訳は答え合わせ

3.図解で共有

4.思い込みがないか

 

1.使う言葉に注意

 インドネシア人と会話する時は、インドネシア語、英語、日本語のいずれかになるかと思います。一番多いのが、案外、インドネシア語かもしれませんね。世界一簡単な言語と言われる通り、駐在員も比較的覚えやすく、気づけばスタッフとの会話をインドネシア語でしている・・・という方も少なくないと思います。

 

 母語であるせいか、日本人の使うインドネシア語が多少雑でも伝わりやすいのがありがたいところです。ただ、それに慢心して「伝わったつもり」になっていると危険です。確実に伝えたいことがある時は、筆者の場合、英語を使います。英語に自信がない方、英語ができない方は、日本語のできるスタッフを通訳者として介してもらいます。

 

 筆者は、口頭では基本的にインドネシア語を使います。What's APP等のチャットも然りです。英語を使うのは、主に、会社のメールを送る時です。難しいニュアンスを細かく伝えたいときには、英語で丁寧に内容を書いてメールを送ります。

 

 既に経験済みの方も多いと思いますが、Google翻訳では、日本語⇔インドネシア語の翻訳が充分ではありません。まだインドネシア語⇔英語の方が、うまく翻訳してくれるようです。スタッフは基本的に英語が使えますが、そのレベルは人によって様々。母語ではない分、解釈があやふやになるところもあるでしょう。そんな時は、こちらが送った英文メールをGoogle翻訳でインドネシア語に訳して読んでくれます。その方が、日本語メールを送るより、こちらの意図する内容が伝わりやすいです。恐らく、日本語の独特な言い回しが、うまく翻訳されないのだと思います・・・。

 また、スタッフも英語でメールを返してくれるので、今度はこちらがGoogle翻訳で日本語に訳して読めば、解釈もしやすいです。

 

 次に注意するのが、日本語のできるスタッフに頼る時です。そのスタッフの日本語力にもよりますが、やはりネイティブではないので、こちらが使う日本語には気を配る必要があります。理想は、小学生でも理解できる優しい言葉を使うことですね。また、仕事の都合上、どうしても専門用語が出てしまうと思いますが、そのスタッフが担当部署ではなく専門外の時は、まずは言葉の意味から説明しないといけません。

 

 言葉以外にも大事なのが、「何を伝えてほしいか」ということを常に意識することです。日本人同士なら、この表現で自分が相手に何を求めているのか伝わるということもありますが、インドネシア人相手には、時にはストレートに伝えることも大事です。何を聞きたいのか、何を求めているのか、はっきりと伝えるようにします。こちらの思いを汲んでくれる(優秀な?)通訳者なら、同じインドネシア人に対して、意訳して伝えてくれるかもしれませんが、こちらの意図を汲み取ってもらえないと、表面的な言葉しか伝えてもらえません。その結果、ほしい答えを導き出せない可能性があります。

 言葉と目的を明確化することが、スムーズな会話を引き出すコツです。

 

2.Google翻訳は答え合わせ

 分からない単語を調べるだけが、Google翻訳ではありません。むしろ筆者は、自分の作成したインドネシア文や英文が合っているかを確かめるために使う機会が増えました。誤字脱字のチェックにもなります。

 

 当然、インドネシア語にも文法の決まりはあります。日本人が多少おかしい文法でインドネシア語を使っていても、スタッフはたいてい、文脈から解釈してくれます。そのため、間違いを指摘してくることはめったにありません

 

 ただ、知らずに間違えたまま使っていると恥ずかしいですよね・・・。

 

 言葉の順番やスペル一つ違うだけで、意図していた内容と違う内容が伝わる可能性もあります。2通りの解釈ができ、どちらにも解釈が取れる場合は要注意です。そのまますれ違った解釈で進んでしまうと、巻き返しが大変です。

 

 Google翻訳も万能ではありませんが、自分が思っていた通りの訳し方にならないと、「あれ?」と立ち止まって考え直すことはできます。最初は面倒でも、習慣づけば苦になりません。少しの手間でミスコミュニケーションを回避できるなら、多少の手間は惜しんでも良いと思います。

 

3.図解で共有

 言葉だけの意思疎通では限界があります。分かりやすいのは、図解を用いることです。せっかく近くにいて直接話せる距離にいるのなら、なおさら、紙とペンを用意して、一緒にイメージを共有した方が良いでしょう。

 

 文字だけよりも、図解を用いる方が、記憶にも残りやすいです。また、複雑な内容は、例を挙げてみるのも良いと思います。数字を使う時は、二つの事例を比較すると、よりクリアになるでしょう。

 

4.思い込みがないか

 特に、インドネシア語である程度スタッフと会話できるようになってきた人に多い傾向にあると思いますが、何となく通じ合っているから大丈夫、という慢心が生まれやすいです。しかも、お互いにすれ違っていることに気づかず、後から「そう解釈してたの?」と驚かされることもあります。

 

 回避するには、会話した時に、自分が解釈したことをきちんと言葉にして「こういうことだよね」と確認することです。ただ難しいのは、同じ言葉を使っていても、解釈が違っている時です。可能であれば、表現の仕方を変えて、最低2通りの言い方で確認できると良いでしょう。毎回していたら業務効率が落ちるので、大事な内容のみで問題ないと思います。

 

 確認は、してもしすぎるということはないです。そんなことまで・・・聞かなくてもわかっている・・・というところもきちんと確認することが、後々のトラブル防止につながります。

 

 日々の忙しさから、慣れてくるとつい手を抜いてしまうのが言葉のコミュニケーションだと思います。ただ、ここをおろそかにすると、業務に大きな支障が生じやすいです。内容によりますが、面倒でも、ガラスを扱うように慎重なコミュニケーションを意識したいものです。

 

<まとめ>

・日本語通訳を介する時は、小学生でも分かる言い回しで

・Google翻訳で自分の作文力をチェック

・イメージの共有が早期理解の助けに

・石橋はたたきすぎても壊れない