インドネシア赴任記録(バンドンより)

インドネシア バンドンに赴任。仕事や日常生活で気づいたことを織り交ぜながら赴任生活をつづっていきます。

インドネシア語を覚えよう

★世界一簡単?!な言語

 

 インドネシアで生活していると、必要となってくるのがインドネシア語。

 職場では日本語や英語が通じるスタッフがいて不自由しなくても、ドライバーさんがインドネシア語しか話せなかったり、お店やレストランで英語が通じなくて困ったりするケースも多々見られます。

 インドネシア語は、実は、世界一簡単な言語と言われています。英語ができない駐在員で、インドネシア語はすらすらと話せるという人もいます。単語をいくつか組み合わせて言うだけで意味が通じること、日本人でも発音しやすい単語が多いことが影響しているのでしょう。

 もちろん、インドネシア語にも厳密にはきちんとした文法があり、単語もシチュエーションによって使い分けたり形が変わったりと細かい法則はありますが、基本的な生活をするには、ある程度の単語を知っておくだけで充分という気がします。

 ここでは、必要性の高いものを中心に、よく使うインドネシア語を紹介します。

 

【目次】

1.まずは数字

2.基本の挨拶

3.問い合わせ・質問

4.仕事でよく使う単語

5.チャットで使う略語

 

1.まずは数字

 日時やお金など、生活する上でよく関わるのが数字です。特にお金絡みの問題もあるので、インドネシア語の数字は早く覚えることを推奨します。最近は英語が通じるお店も増えてきましたが、いちいち英語で聞き直すのも面倒ですよね、お互いに。レジに表示された金額を見れば払えるという人もいるかもしれませんが、コンビニなどでは、金額が見えないことが多いです(レジが店員さんの方を向いているので)。店員さんが言った金額が聞き取れなければ、とりあえず赤1枚(Rp 100,000)で済ませる人もいるでしょう。ただ、たまにおつりを間違えられることがあります。小さい金額ならまだしも、大きい差だともったいないですよね。それに、いつも赤1枚で払っていると、小さいお金がどんどんたまって、財布がパンパンになります。また、ローカル寄りのお店に多いですが、レジにおつりがそろっておらず、小さいお金を持っていないかと聞かれることがあります。金額を聞き取れれば、財布のお金も最小限に済ませられるし、おつりを間違えられるリスクも減ります。

 

 日常生活でよく使う数字を以下の通り列挙します。正直、数字をアルファベットで書くことはほとんどないので、「言える」「聞きとれる」ようになれば大丈夫です。

 

[1~10まで]

0:Kosong(コソン)

1:Satu(サトゥ)

2:Dua(ドゥア)

3:Tiga(ティガ)

4:Empat(ウンパット)

5:Lima(リマ)

6:Enam(ウナム)

7:Tujuh(トゥジュ)

8:Delapan(ドゥラパン)

9:Sembilan(スンビラン)

10:Sepuluh(スプル)

 

*覚え方の余談*

●3(ティガ)・・・どこかで聞いたことありませんか? 実は「ウルトラマンティガ」もここから来ています。3種類のタイプにチェンジするからだそうです。

 

●5(リマ)・・・道端にある屋台のワゴンを「Kaki lima(カキ・リマ)」と呼びます。「Kaki」は「足」のこと。この名前が付いた由来は諸説ありますが、有力なのは、売り場となる歩道の幅が5フィートだからだそうです。また、他の説として、屋台の車輪と支えの棒、人の足で合計5本の足、という解釈の仕方もあります。

 

[11~20まで]

11:Sebelas(スブラス)

12:Duabelas(ドゥアブラス)

13:Tigabelas(ティガブラス)

14:Empatbelas(ウンパットブラス)

15:Limabelas(リマブラス)

16:Enambelas(ウナムブラス)

17:Tujuhbelas(トゥジュブラス)

18:Delapanbelas(ドゥラパンブラス)

19:Sembilanbelas(スンビランブラス)

20:Duapuluh(ドゥアプル)

 

*覚え方の余談*

 並んでいる言葉を見て、鋭い人は気づいたかもしれません。11~19は、1~9の数字の後ろに「Belas(ブラス)」がついただけです。1だけはちょっと特殊で、後ろに言葉がつながると、省略した言い方の「Se(ス)」になります。だから10も、「Se+puluh」になります。この法則で考えれば、30は「Tigapuluh(ティガプル)」だと推測できるようになります。

 

[大きい数字]

   100:Seratus(スラトゥス)

 1,000:Seribu(スリブ)

10,000:Sepuluh ribu(スプルリブ)

 

*覚え方の余談*

●100の位、1,000の位、10,000の位も、考え方は同じ。

 200なら「Duaratus(ドゥアラトゥス)」

 3,000なら「Tigaribu(ティガリブ)」

 40,000なら「Empatpuluh ribu(ウンパットプルリブ)」

 ・・・では100,000は?

 正解は、「Seratus ribu(スラトゥスリブ)」。

 だんだん、法則がわかってきましたか?

 

●ジャカルタの北には、「Pulau Seribu(プロウスリブ)」という有名な観光地があります。直訳すると「千の島」。実際の数は数百らしいですが、たくさん島があることをわかりやすく表現しているのではと思われます。

 

●お店では、1,000ルピア以上の金額になると「ribu」を省略して言うこともあります。お会計は15,000なのに、「Limabelas(リマブラス)」と言われて、「え、15ルピア?」と勘違いしないように注意しましょう。

 

 数字と併せて覚えたいのが、日時の言い方です。

 日にちは「Tanggal(タンガル)」。「1日」なら「Tanggal satu(タンガル サトゥ)」と言います。日本語と逆で、先に「Tanggal」をつけます。

 時間は「Jam(ジャム)」。「1時」なら「Jam satu(ジャム サトゥ)」。

 期間を言う時は、少し変わります。

 「1日間」は「Satu hari(サトゥ ハリ)」です。「Tanggal」は使いません。

 時間の方はちょっとややこしいです。同じ「Jam」を使いますが、「Jam」の位置が変わります。「1時間」のように所要時間を言う時は「Satu jam(サトゥ ジャム)」です。

 「1週間」なら「Satu minggu(サトゥ ミングウ」、「1ヶ月」なら「Satu bulan(サトゥ ブラン)」、「1年」なら「Satu tahun(サトゥ タフン)」。

 ちなみに、2020年は「Tahun duaribu duapuluh(タフン ドゥアリブ ドゥアプル)」です。期間なら数字が先、と覚えましょう。

 

2.基本の挨拶

 挨拶も基本中の基本、大事でよく使うワードですよね。周りがよく使うので一番覚えやすいかもしれませんが、代表的なものを載せておきます。

 

◆おはよう:Selamat pagi(スラマット パギ)

◆こんにちは:Selamat siang(スラマット シアン)

 *厳密には決まっていませんが、大体、朝10時ぐらいから「Siang」を使っている気がします。

◆こんにちは:Selamat sore(スラマット ソレ)

 *主に夕方の挨拶として使います。厳密な時間は決まっていませんが、15時~16時ぐらいから日暮れまでの時間帯で使うことが多いです。

◆こんばんは:Selamat malam(スラマット マラム)

 *親しい間柄やドライバーさんとの挨拶では「Selamat」を外して「Pagi」「Siang」「Malam」と言うこともあります。

◆ありがとう:Terima kasih(トゥリマ カシ)

 *砕けた表現で「Makasih(マカシ)」と言うこともあります。

◆どういたしまして:Sama sama(サマ サマ)

 *「サマサマ~」と語尾を伸ばして言うことが多いです。

◆ごめんなさい:Mohon maaf(モホン マアアフ)

 *親しい間柄では「Maaf」だけでもOK。

◆すみません:Permisi(プルミシ)

 *日本語で補足すると「すみません、目の前を通ります」「すみません、ちょっといいですか」となり、謝るというよりも、声掛け・注意喚起の意味で使います。

◆また明日:Sampai besok(サンパイ ベソック)

 *ドライバーさんとの別れの挨拶でよく使います。次に会うのが月曜なら、「Sampai hari senin(サンパイ ハリ スニン:また月曜に)」と言います。

◆またね:Sampai jumpa(サンパイ ジュンパ)

 *特に次に会う日が決まっていない時に使います。

◆お先に失礼します:Pulang dulu(プーラン ドゥルー)

 *「Pulang」は「帰る」、「Dulu」は「先に」という意味です。職場で、スタッフが「Saya pulang dulu」(Saya(サヤ):私)と言ったら、帰る合図です。

◆気をつけて:Hati hati(ハティ ハティ)

 *挨拶以外の場面でも使いますが、職場でスタッフが帰る時の返しとしてよく使っています。彼らは自分でバイクを運転して出勤しているので、「道中気をつけて(帰ってね)→Hati hati di jalan(ハティ ハティ ディ ジャラン)」の「di jalan(道中)」を省略した言い方です。

 

3.問い合わせ・質問

 基本的な疑問文を使えるようになると、聞きたいことを確認しやすいです。回答のインドネシア語を聞き取れるかは、また別問題かもしれませんが・・・。

 

[時に関する疑問]

◆いつ:Kapan(カパン)

→例:Kapan datang?(カパン ダタン):いつ来るの?

◆何時:Jam berapa?(ジャム ブラパ)

◆何日:Tanggal berapa?(タンガル ブラパ)

◆何日間:Berapa hari?(ブラパ ハリ)

◆どのくらいの期間:Berapa lama?(ブラパ ラマ)

 

[場所に関する疑問]

◆どこにいますか:Di mana?(ディ マナ)

◆どこへ行きますか:Ke mana?(ク マナ)

◆どこから来ましたか:Dari mana?(ダリ マナ)

 

[人に関する疑問]

◆誰ですか:Siapa?(シアパ)

 

[物に関する疑問]

◆何ですか:Apa?(アパ)

 *「これ何ですか」は「Ini apa?(イニ アパ)」。わからないものがあれば、指さして積極的に聞いてみましょう。

◆いくらですか:Berapa?(ブラパ)

 *値段や量を聞く時などに使います。値段は「Harga(ハルガ)」なので、確実に値段を聞きたいときは「Harganya berapa?(ハルガニャ ブラパ)」と言えば間違いないです。「Berapa」だけだと、店員さんも、聞かれているのが値段のことなのか、内容量や販売数量のことなのかわからない時があります。

 

[状態に関する疑問]

◆できますか:Bisakah~?(ビサカ~)

→例:Bisakah datang?(ビサカ ダタン):来れますか?

 *スタッフに、単に「できる?」と聞く時は「Bisa?(ビサ)」だけで充分です。

◆していいですか:Bolehkah~?(ボレカ~)

→例:Bolehkah photo?(ボレカ フォト):写真撮っていいですか?

 *「Boleh(ボレ)」と言われたら、OKです。許可の意味で「Silahkan(シラカン:どうぞ)」と言われることもあります。

◆なぜですか:Kenapa?(クナパ)

 *答える側は「Karena(カルナ:なぜなら)~」と始めることが多いです。

◆どうですか:Bagaimana?(バガイマナ)

◆どちらが~:Yang mana~?(ヤン マナ)

→例:Yang mana lebih baik?(ヤン マナ レビ バイッ):どちらがより良いですか?

 

 「Ya(ヤー):はい」「Tidak(ティダッ):いいえ」で答えられるものは、「Makan?(マカン)」のように、動詞の語尾を上げて言うだけで疑問文にすることができます。

 

4.仕事でよく使う言葉

 業種や職種によって違うかもしれませんが、できる限り共通で使いそうなフレーズを選びました。

 

◆~してください:Tolong~(トロン)

→例:Tolong kirim email ke saya.(トロン キリム イーメール ク サヤ):私にメールを送ってください。

◆頑張って:Semangat(スマンガット)

◆準備できた?:Sudah siap?(スダ シアップ)

 *「Sudah」は過去形の意味です。文脈から「Sudah?」だけで通じることもあります。

◆~のために:Untuk(ウントゥック)

→例:Saya pergi ke sana untuk cek.(サヤ プルギ ク サナ ウントゥック チェック):私は確認のためにそこに行きます。(pergi:行く。sana:そこ。cek:確認)

◆~したい:Mau(マウ)

→例:Saya mau cek.(サヤ マウ チェック):確認したい。

 *基本的には希望の意味で使いますが、実現性の高い希望のため、未来の行動を示す意味で使うこともあります。実現性の低い希望の場合、「Ingin(インギン)」を使います。

◆~しなければならない:Harus(ハルス)

→例:Saya harus cek.(サヤ ハルス チェック):確認しなければならない。

◆~してはいけない:Tidak boleh(ティダ ボレ)

→例:Tidak boleh pergi ke sana.(ティダ ボレ プルギ ク サナ):そこに行ってはいけない。

 *「Jangan(ジャンガン)」も同じように使うことがありますが、「Tidak boleh」の方がより強い印象を与えます。

◆必要ない:Tidak usah(ティダ ウサ)

→例:Tidak usah pergi ke sana.(ティダ ウサ プルギ ク サナ):そこに行く必要はない。

 *「必要」という時は、「Perlu(プルウ)もしくは「Butuh(ブトゥウ)」と言います。「Usah」とは言いません。

◆待つ:Tunggu(トゥングウ)

→例:Tunggu sebentar.(トゥングウ スブンタール):ちょっと待って。

 *「Sebentar」は「少しの間」で、文脈によっては、これだけでも「ちょっと待って」の意味になります。

◆知る:tahu(タウ)

→例:Apakah tahu itu?(アパカ タウ イトゥ):それを知っていますか?

→例:Tidak tahu.(ティダ タウ):知らない。わからない。

→例:Saya mau tanya.(サヤ マウ タニャ):知りたい。

 *語尾が「~nya」と変化するのは、「その」という意味が「tahu」という動詞に集約されるからです。この「nya」は、単語や状況によって用法や意味が変わります。ここでは詳細は割愛します。

◆~が言うには:Katanya(カタニャ)

→例:Katanya tidak boleh.(カタニャ ティダ ボレ):ダメらしいです。

 *第三者の言葉を引用する時に使います。

◆たぶん:Mungkin(ムンキン)

 *インドネシア人はよく「Mungkin」を使いますが、そういう時は、自信がない時、確証が低い時と思っておきましょう。

◆大丈夫:Tidak apa apa(ティダ アパ アパ)

 *これもよくインドネシア人スタッフが使います。大丈夫ではない時でも上司を安心させるために強がることもありますし、楽観的に思っていることもあります。自信ありげに言っていても、過信しないよう注意が必要です。

◆お土産:Oleh oleh(オレオレ)

→例:Mau beli oleh oleh?(マウ ブリ オレオレ):お土産を買いますか?

 *取引先へ訪問する時などに、スタッフから聞かれることもあるでしょう。(Beli:買う)

◆参加する・ついていく:Ikut(イクット)

→例:Apakah mau ikut meeting?(アパカ マウ イクット ミーティング):ミーティングに参加しますか?

◆休み:Cuti(チュティ)・Libur(リブール)

 *「Cuti」は有休など自分で仕事を休む選択をした時に使います。「Libur」は、元々ある祝日などの休日を指します。土日が休みの会社は土日も「Libur」です。

 

5.チャットで使う略語

 スタッフやドライバーさんとインドネシア語でチャット。時折、彼らは略語を使ってきます。最初はよくわからず戸惑うかもしれません。自分でも使いこなせるようになれば、文字を打つ手間を削減できます。

 

◆Saya(サヤ:私)→Sy

◆Kalau(カラウ:もし~なら)→Kl/Kalo

◆Tidak apa apa(ティダ アパ アパ:大丈夫)→Gpp

 *口頭でも「Gak apa apa(ガパパ)」と略して言うことがあります。

◆Belum(ブルム:まだ)→Blm

◆Sudah(スダ:済んでいる)→Sdh

◆Juga(ジュガ:~も)→Jg

◆Tolong(トロン:~してください)→Tlg

 

<まとめ>

 インドネシア語は、単語をいくつか並べるだけで意味が通じることが多いです。代表的な単語、よく使う単語を覚えておけば、後は組み合わせの問題。スタッフや周りの駐在員が使う言葉を聞いて、わからなければ積極的に意味を聞いて少しずつ覚えていきます。

 

 以下の本も、インドネシア語がわかりやすくまとめられています。筆者も初めてインドネシアに来る前に、この本を何度か読み返してよく使う表現から覚えていきました。